viエディタでは切り取り(カット)のことを『削除』と呼ぶことは説明した通りです。 つまり、一般的に切り取りと呼ぶ機能のことをviエディタでは『削除』と呼んでいます。
ワープロや一般的なテキストエディタでは、削除と切り取りは別に用意されています。 理由は、クリップボードに入れるか・入れないかを使い分けるためです。
『文字を消したいが、クリップボードの中身は変えずに保持しておきたい』というような場合には、切り取りは使えません。 そこで、ワープロや一般的なテキストエディタでは、文字を消してクリップボードに入れる『切り取り』と、文字を消すだけの『削除』を別に用意しています。
viエディタでは『クリップボード』ではなく『レジスタ』が使われますが、レジスタは1つではありません。 viエディタには複数のレジスタが用意されており、コピー・切り取りや貼り付けを行う際に、どのレジスタを使用するのかを指定することができます。
利用者が自由に使えるレジスタだけでも27個が用意されています。 そのため、一般的に削除と呼ばれる機能が無くても困ることはありません。
レジスタは複数あり、使用するレジスタは利用者が自由に指定できると説明しました。 ただし、レジスタは必ず指定しなければならないものではなく、未指定でも問題ありません。
レジスタを指定しない場合は、『標準レジスタ』が使用されます。 なお、これまで紹介したコマンドの実行例では、レジスタを指定した例はありません。 つまり、紹介した削除コマンドの例では、全て標準レジスタが利用されます。
すでに説明した x コマンドや d コマンドが一般的には『切り取り』と呼ばれる機能になります。 ただし、viエディタでは『削除』と呼ばれます。
レジスタは複数あり、どれを使うかを自由に指定することができます。 ただし、レジスタは必ず指定しなければならないものではありません。 レジスタが未指定の場合は標準レジスタが使用されます。